投球動作における必要な知識 -投球フェーズについて-
こんにちわ!
毎週日曜日に野球に出かけておりますともちゃそです。
実は小学校・中学校・高校・大学・草野球と約14年ほど野球をしており
今もなお野球しております。
いつまで野球ができるか分かりませんがなんとか怪我なく
やっていきたいです...😄
さて、そんな今日ですが投球動作について書いていこうと思います!
筆者も高校生の時にピッチャーをやっていて肩を痛めてしまい
夏の大会に出れなかったことがあります...
なぜ痛くなったのか、今考えると明らかに投球フォームが悪かった(笑)
そこで今回は投球フェーズについて簡単に記載していこうと思います。
投球フェーズについて
投球動作をそれぞれのフェーズに分類すると
ワインドアップ期、初期コッキング期(早期コッキング期)、終期コッキング期、加速期、フォロースルー期の5つのフェーズに分類されます。
投球動作は下肢から上肢にむけて運動が連鎖的に遂行されるために、
それぞれのフェーズにおいての必要な動きが制限されてしまうと
以降のフェーズでの運動に影響を及ぼしてしまいます。
ワインドアップ期
投球始動-ステップ脚最大挙上までの間になります。
ステップ脚の膝を高くあげることによって位置エネルギーを蓄え
初期コッキング以降につなげるフェーズとなっております。
ここのフェーズで大切なこととしては
・安定した片脚立位
・ステップ脚最大挙上時の骨盤中間位または前傾位 などがあります。
仮に最大挙上時に過剰に後傾するとコッキング期以降での体の開きなどにつながりやすいです。
初期コッキング期
ステップ脚挙上-ステップ足部接地までの間です。
ワインドアップ期で蓄えた位置エネルギーを並進運動のエネルギーとして利用するフェーズです。
大事なフェーズの1つです!
多くの文献でも初期コッキング期の運動が以降のフェーズの運動に影響を与えるといった報告があります。
初期コッキング期の動きによって以降のフェーズでの肘下がりなどに関与していきます。
大切なこととしては
・足部接地時に肘下がりがないか
・足部接地時のクロスステップの有無
・前方から見て軸足の膝がつま先よりも前に出ていないか などがあります。
クロスステップに関してはプロ野球選手でもサイドスローの投手で
よくクロスステップが見られますが
それに関しては投球における一つの戦略として行っていると考えられます。
いわゆるパフォーマンスのためにあえてクロスステップに踏み込んで
打者に対して打ちにくい投げ方をしているということだと考えられます。
終期コッキング期
ステップ足部着地-肩関節最大外旋位までの間です。
ステップした脚を軸として安定させ、並進運動から回転運動に変換するフェーズです。
ここからは特に運動連鎖が大事になってくるフェーズです!
右投手を想定した時には足部が接地してから骨盤の左回旋が生じます。
この骨盤の左回旋はステップした脚(左脚)を軸とした股関節内転・内旋運動が主体となります。
その骨盤左回旋に伴い、連動して体幹回旋が生じていきます。
そこから胸椎や肩甲骨の動きも生じてきて腕のしなりが作られます。
加速期
肩関節最大外旋-ボールリリースの間です。
並進運動と下肢・体幹による回転運動によって蓄えられた運動エネルギーが
連鎖的に上肢の鞭のような運動からボールに伝達されるフェーズです。
ここでは下肢-体幹の運動を止めることで肩関節内旋・肘伸展の効率化を図っていくフェーズになります。
大切なこととしては
・ゼロポジションでのリリース
・肘下がりの有無 などがあります。
フォロースルー期
ボールリリース-投球動作の完了までの間です。
減速運動を行うフェーズですが、ステップ脚への体重移動や骨盤・体幹の回旋運動を
十分に行うことによって上肢に依存する運動を減少させることが重要となっています。
野球選手ではよく肩関節2nd内旋の可動域が狭くなっていることが多いですが
このフェーズでの上肢の動き(肩関節内旋)を止めるために
棘下筋や小円筋などの外旋筋群の遠心性収縮が求められます。
投球の繰り返しにより上記の筋群には遠心性のストレスが反復され、
伸張性低下・後方関節包の肥厚・癒着などを生じると言われています。
大切なこととしては
・リリース時の前腕回内の有無
・体重移動ができているか(体幹回旋・屈曲) などがあります。
まとめ
今回は投球フェーズについて簡単に記載させていただきました。
投球動作を見ていく、投球障害肩の患者さんを診ていく上では必要な知識
ですので知っておいていただければと思います。
- 榊原 直樹:ピッチング(投球)のバイオメカニクス,カイロプラクティックジャーナル.2009
- 宮下 浩二:スポーツ動作と安定性,関西理学 3:49-57,2003
- 宮下 浩二:スポーツによる上肢の運動障害の予防とリハビリテーション,日本職業・災害医学会会誌 JJOMT 60:131-136,2012